スタジオでの宣材撮影で使える!背景や小物選びのポイントと注意点
宣材写真において、背景や小物は被写体の印象を大きく左右します。
宣材写真は基本的に、被写体のみをシンプルな白背景で撮影しますが、用途や目的に応じて小物や家具を使用することもあります。
そこで重要なのは、被写体を引き立てるための適切な道具を選ぶことです。
見た人にどのような印象を与えたいのか、どのようなイメージの写真を目指すかによって、背景や小物を選ぶことがポイントとなります。
宣材写真とは
宣材写真は、自己宣伝のための重要なツールです。
基本的に、シンプルな白背景において被写体のみを映しますが、用途や目的に応じて小物、家具、背景紙を使用し、写真の雰囲気を調整することが可能です。
これにより、撮影される人の特徴や魅力を最大限に引き出すことができます。
宣材写真で小道具を使うのはどんなとき?
宣材写真で使用する小物には様々な種類がありますが、以下の3つが代表的です。
- 背景紙(バックペーパー)
様々な色やテクスチャの背景紙を使用して、撮影の雰囲気を変えることができます。 - 手で持てるサイズの小物
被写体の特徴を強調するための小物やアクセサリーなど - 大きめの家具
撮影に深みを加えるための家具や装飾品
被写体だけでは物足りない印象を与える場合や、特定のイメージを強調したい場合には、小物を使用すると効果的です。
ただし、被写体が主役であることを忘れずに、小物の使用を検討するようにしましょう。
室内のスタジオ撮影では、無機質な印象になりがちなため、小物の効果が特に発揮されます。
一方、ロケーション撮影では背景に存在感があるため、小物を多用するとごちゃごちゃした印象になる可能性があるので注意しましょう。
今回は、室内となるスタジオ撮影に焦点を当てて解説していきます。
スタジオ撮影での背景や小物選びのポイント・使い方・注意
宣材写真で使用する小物には、大きく分けて3つの種類があります。
小物選びの重要なポイントは、これらの小物を使用しても、常に被写体が主役であることを忘れないことです。
スタジオや写真館によっては、様々な小道具を用意している場合がありますが、その種類は施設によって異なりますので、特定のアイテムを使いたい場合は事前に確認することが大切です。
また、自分で使いたい特定のアイテムがある場合は、それを持ち込むことが可能かどうかも確認しましょう。
それでは、実際にどのような小物があるのか、そして使用する際の注意点についても解説していきます。
①背景紙を使う
背景紙とは
背景紙は、被写体の背後に配置して写真の雰囲気を決定するアイテムです。
一般的に「バックペーパー」や「ロール紙」とも呼ばれ、折りたたみタイプやロールタイプがあり、これらは宣材写真の無機質な雰囲気を和らげ、不要な写り込みを防ぐ効果があります。
素材は紙や布が一般的で、紙は扱いやすく、布は自然な質感を演出することができます。
撮影スタジオや写真館では様々な背景紙が用意されており、撮影の目的に合わせて選ぶことが重要です。
背景紙を使うメリット
- 写真の印象をコントロールできる
適切な背景紙を選ぶことで、写真の雰囲気や印象を自由に調整することが可能です。
異なる色や柄の背景紙を使用することで、写真のスタイルやテーマを変えることができます。 - 写り込みを防ぎ、リタッチや編集の手間や時間を短縮できる
背景紙を使用することで、不要な写り込みを防ぎ、写真の品質を向上させることができます。
これにより、写真の後処理にかかる手間や時間を削減できます。 - コスト的にも取り扱いやすさ的にも、撮影の度に新しいものに変えやすい
背景紙は比較的リーズナブルな価格で入手でき、使い捨てすることも、交換することも容易です。 - 撮影の都度異なる背景を使用することで、写真のバリエーションを豊富にしたり、宣材写真の品質向上や撮影プロセスの効率化が実現できます。
以上が背景紙のメリットとしてあげられます。
そして、以下には背景紙の使い方マニュアルを作成しました。
ご自身で撮影される際は、ぜひ参考にしてみてください。
背景紙の使い方3STEP
- ポール(スタンド)を使う
- 壁に貼り付ける
- スチレンボード(発泡プラスチック素材のボード)に貼る
ロールタイプの背景紙は、撮影に応じて必要な長さに切り取るか、ロールから直接引き伸ばして使用することができます。
特に、自撮りや宣材写真撮影においては、ポール(スタンド)を使って背景紙をセットアップする方法が効果的です。
このセッティング方法は、背景紙を安定して保持し、撮影のニーズに合わせて簡単に調整することが可能なため、初心者の人にもおすすめです。
ここからは、宣材写真を自撮りしたい人や背景紙をどのように使うのかを知りたい人に向けて、ポール(スタンド)を用いてセッティングする際に使うものとセッティング方法をご紹介します。
背景紙をセッティングする際に使うもの
- 背景紙(撮影写真にあわせてサイズを確認)
- パーマセルテープ
- 脚立(踏み台)
- オートポール × 2本(経が違うだけなので、全身写真にミニを使用することも可)
- スーパークランプ × 2個(オートポールを掴むクリップ的なもの)
- 背景紙を吊るす棒
物干し竿でも代用可です。2.72mの背景紙を使う場合は、4m以上の物干し竿を使うスタジオではテレスコピックポールという専用の延長棒もあります。 - Uフック
- Bクリップ(エレンクリップ)
背景紙のセッティング方法
- オートポール2本を突っ張り棒の要領で伸ばす
- スーパークランプにUフックを接続する
- スーパークランプでオートポールを掴む
- 背景紙の芯に物干し竿を通す
- 背景紙は前に引いて出せるようにしておく
- オートポールを壁に突っ張る
- Uフックに背景紙を通した物干し竿を吊るす(このときに背景紙が水平になるように調整する)
- エレンクリップで背景紙と物干し竿を固定して、空転を防ぐ
- 背景紙を引き出す
- 上半身用は腰下まで、全身用は足元までを覆うようにする(背景紙下部のR部分は均等になるように注意)
- パーマセルテープで背景紙を固定する
- 敷き込んだ背景紙は、動かないように重りで固定する
- 被写体の立ち位置の目安となる場所にマーキングテープを貼る
ロールタイプの背景紙には、半身用として2m巻きと2.2m巻き、全身用として11m巻きと25m巻きが用意されています。
自撮りをおこなう場合、これらの背景紙の設置にはかなりの手間がかかるでしょう。
しかし、宣材写真に特化したカメラマンがいる撮影スタジオや写真館を利用すると、これらの準備は料金やプランに含まれていることが多いため、手間を省くことができます。
こういった手間を考慮すると、自撮りよりもプロに依頼する方法がおすすめです。
背景紙の種類と選び方
プロに頼む場合は背景紙のセッティングを自分でおこなう必要はないですが、どんな背景紙で撮ってもらいたいかを事前に相談できるように、背景の種類を知っておくと理想の宣材写真撮影により近づけられるかもしれません。
背景紙の選び方はおもに3つです。
- 素材
素材と質感から選びます。光を吸収する特殊な素材もあるため、目的によって使い分けるといいでしょう。 - 色や柄
単色の無地のものが一般的ですが、最近ではリアルなテクスチャを再現した生地も増えています。 - 衣装やメイクとの相性
選んだ背景の色や柄が、衣装とマッチするように、事前に組合せを検討しましょう。
背景といえば、白が最もスタンダードですが、色付きの無地も個性を表現できる点で人気があり、より華やかな印象を与えることができます。
布製の背景紙などもあるため、撮りたい雰囲気に合わせて選ぶことが大切なポイントとなります。
また、衣装やメイクとの相性も確認することが重要ですので、全体のバランスを見て選択してみましょう。
背景紙を使うときのポイントと注意点
- 折れたり、シワにならないようにする
- 写真に収まるサイズギリギリよりも余裕を持つ
- 撮影スタジオなどへ持ち込み希望の場合は、事前に確認する
背景紙が折れたりシワになると、撮影後の修正に手間がかかるため、できるだけ綺麗な状態で撮影することが望ましいです。
また、小さすぎる背景紙は写真撮影が困難になることがあるため、サイズは余裕を持って選ぶようにしましょう。
②手で持てるような小物を使う
宣材写真の小道具は、手に持てるサイズの小物を連想することが一般的です。
以下では、手で持つことができる小道具を紹介します。
手で持てるサイズ小物の種類と選び方
宣材写真の撮影において、手で持てるサイズの小道具が役立つことがあります。
小道具を選ぶ際は、以下の考慮すべきポイントを確認してみましょう。
- 重すぎないもの
手で持つために、小道具は軽量なものがおすすめです。重たい小物は、撮影中に不便さを感じてしまうかもしれません。 - 顔が大きく見えないもの
顔が小さく見えるようなサイズ感の小道具が適しています。 小道具が顔を遮ることなく、被写体の顔がはっきりと写るようなものを選びましょう。 - 写真が華やかに見えるもの
小道具は写真にアクセントを加え、華やかさを演出するのに役立ちます。選んだ小道具が写真全体を引き立てる要素となるでしょう。
次に、宣材写真において使える具体的な小道具の例をご紹介します。
●生花・造花・果物など
花や果物などの小物は、手に持つだけで雰囲気が一変し、写真に自然な魅力をプラスできます。
手に持つだけでなく、被写体の近くに配置することで、写真全体のバランスの調整も可能です。
これらの小道具を使うことで、ポーズのバリエーションが広がり、表現力を豊かにします。
●カーテンやクッションなど
カーテンやクッションなどの布製の小道具は、ナチュラルな雰囲気を演出するのに適しています。
そのまま写真に配置してもよいですし、手に持ってポーズをとることで、シンプルで魅力的な雰囲気を創り出せるでしょう。
スタジオに窓がある場合、カーテンを触ったり、近くに立ってみることで、より魅力的な写真を撮影できます。
また、布製の小道具は、光の反射を防ぐことにもつながるため、写真の質感を向上させます。
●風船やおもちゃなど
楽しんで撮影できるアイテムは、被写体を笑顔にする可能性が高まります。
ただし、用途や目的に応じて、キャラクターやブランドロゴを避けることが重要です。
特に、子役やキッズモデルの撮影に取り入れることで、楽しそうな雰囲気や活気を表現するのに役立つでしょう。
●仕事の道具など
自分の職業や活動に関連するアイテムや、個性をアピールするアイテムを使用することができます。
例えば、演奏家であれば楽器を持つことが考えられますし、ナイトワーク関連であればお酒やグラスなどを活用できます。
以下の記事では、宣材写真の代表的な用途や目的と、それぞれに合わせた詳しい解説をしています。
→職種別の記事:現在準備中です
小物を使うときのポイントと注意点
小物を使用して宣材写真を撮影する場合、以下のポイントと注意点を確認しましょう。
- 小物がメインの写真にならないようにする
宣材写真の主役は被写体です。小物が写真全体で主役を奪わないように注意しましょう。 - 小道具を持つ手や、座ったときのつま先まで意識する
小物を持つときや座るとき、手やつま先など細部にも注意を払い、美しいポーズを作り出しましょう。 - 小物で顔や体を隠したり、影にならないようにする
小物を使用する際、顔や体を隠してしまったり、不自然な影ができないように配慮しましょう。 - 反射する材質のものは避ける
シルバーやステンレスなど反射する材質の小道具は、カメラやフラッシュの反射に注意が必要です。適切な配置を考えましょう。 - ブランドロゴやキャラクターものは避ける
商標権の関係や個人の特定を避けるため、ブランドロゴやキャラクターが入った小物は選ばない方が無難です。
宣材写真において、小物は被写体を引き立てる手段として活用できます。
ただし、その使用方法は慎重に検討し、写真全体のバランスを保つことに注意することが重要です。
小物を選ぶ際には、主張が激しいものや反射する材質を避け、被写体を美しく引き立てる小道具を選びましょう。
③大きめの家具などを使う
宣材写真において、小道具以外にも、大きい家具を活用することがあります。
どのような家具が適しているか、以下で詳しくご紹介します。
大きめの家具などの種類と選び方
大きめの家具を選ぶ際には、以下のポイントに注意しましょう。
- 色味が派手でないもの
鮮やかな色味よりも、控えめで落ち着いた色合いの家具が宣材写真に適しています。 - ナチュラルな材質のもの
自然な材質の家具は、ナチュラルな雰囲気を演出できます。木製や布張りの家具がおすすめです。 - ソファや椅子は座った時に足が長く見えるかもポイント
ソファや椅子を使用する際には、座った際に足が長く見えるデザインを選ぶと、スタイリッシュな印象を与えます。
具体的な家具の活用例
ソファや椅子など座れるもの
暗い色味や優しい色味のソファや椅子を選び、座った際には浅く腰掛け、手足の位置を意識してポーズを決めましょう。
また、ソファや椅子の近くに立ったり、手前に座ったりするなど、多彩な使い方が可能です。
チェストなどの家具
暗い色味や優しい色味の家具を使用し、近くに立ったり、手前に座ったりして活用できます。
家具は全体を写さずに一部分を見せるだけでも存在感が出るため、被写体とのバランスを考慮した演出をしましょう。
観葉植物
室内撮影に自然な雰囲気を加えたい場合は、観葉植物を活用できます。
適度なサイズの植物を選び、植木鉢の汚れや葉の状態にも注意してください。
大きめの家具などを使うときのポイントと注意点
大きめの家具を活用するときは、以下のポイントと注意点を確認してみましょう。
- 大きすぎて、メインの被写体よりも主張が強い家具は避けましょう。
- 小さすぎて見えないサイズは、小物ではなくノイズ(不要物)に見られる可能性もあるため避けましょう。
- 家具が写真全体で主役とならないように注意しましょう。
- 座ったときのつま先や手元まで美しく見えるように、ポーズを工夫しましょう。
- 家具を使用する際に、顔や体が隠れたり、不自然な影ができないように注意しましょう。
- 反射する材質のものは避け、適切な配置を検討しましょう。
- 商標権などの関係でブランドロゴやキャラクターが入った家具は選ばないようにしましょう。
家具は、宣材写真において存在感を持つ要素となりますが、主役は被写体です。
家具を選ぶ際には色やデザインに配慮し、ポーズや配置に注意してバランスを取りましょう。
小道具を使うときのライティング
小道具を活用する際は、適切なライティングが重要です。
以下のポイントに注意しましょう。
- 明るさを被写体に向ける
ライティングの光源を被写体に向け、小道具と被写体が十分に明るく写るようにします。 - 顔に影ができないようにする
特に小道具を手に持つ場合、顔に影ができないように注意しましょう。均一な照明が重要です。 - 小道具自体の明るさに注意
小道具があまりにも明るすぎたり、暗すぎたりしないように、バランスを取りましょう。
以下の記事では、宣材写真を撮影する時の自然光やライティングについて解説をしています。
宣材写真はどこで撮る?室内撮影と野外撮影の違いとメリット・デメリット:現在準備中です
小道具を活用して宣材撮影を楽しんで
この記事では、宣材写真撮影における小道具の選び方や注意点について詳しく説明しました。
以下はそのまとめです。
- 宣材写真に活用できる小物は、おもに背景紙・小道具・家具などがあります。
- スタジオによって小道具の用意状況は異なるため、使いたい場合は事前に確認しましょう。
- 用途や目的に応じて、適切な小道具を選ぶことが重要です。また、衣装やメイクとの相性も考慮しましょう。
- 小道具を活用する際には、持ち方や座り方など、指先や足先の写り方にも注意を払いましょう。
- 常に被写体が主役であることを忘れず、顔や体が隠れたり影を作らないようにしましょう。
- 宣材スタジオでは、背景紙や小道具を提供するスタジオもご紹介していますので、活用してみてください。
宣材写真に小道具を取り入れることで、より魅力的な写真を撮影することができます。
ぜひ、これらのアイデアを活用してください。
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